mnre's diary

むぬれと読みます

2021秋冬に読んだもの

あけましておめでとうございます。本年も当ブログをよろしくお願い申し上げます。

ノルウェイの森

よくわかんない

マンキュー経済学 ミクロ編

その分厚さとは対照的に内容は初学者レベルで非常にわかりやすい。

異性の心を上手に透視する方法

全メンヘラ必読の書。 確かAmazonで恋愛本を漁っていたときにタイトルに惹かれて購入した本。内容は他人の心を解読するというよりは自分の恋愛観、恋愛やパートナーに求めるものを愛着理論から分析し、それに応じてパートナーとよりよい関係を気づいていくためのヒントを与えてくれる。いい意味でタイトルを裏切ってくれた。 まずは人間の愛着に対する考え方を安定型(健全とされている)、不安型(俗に言うメンヘラ)、回避型(相手の愛情や束縛を苦痛に感じ離れようとする)の三類型に分け、各々がどういう特徴を持つか、どう短所を治していけばいいか、などが理論的に書かれている。 細かな内容は省くが、この本の根幹にある原理は ・人間は誰しも他人との密接な関わりを必要としている ・三類型は自分の中に生じる愛着の必要性、親密性についての価値観が異なる点で分類されている ・お互いの幸せはお互いが作っていくものであるから、自分自身のニーズを素直に伝えよう となる。これが当たり前だと思う人はこの本を読む意味は無いが、少しでも相手との関係性に悩んでいるのであれば目から鱗が落ちまくりであろう。 とにかく、相手に対して素直になって、妙な駆け引きをやめようということである。結局そんなことしても安定型のパートナーの寛容さに甘えるか、相手が離れていくだけなのだそうだ。

熱帯魚は雪に焦がれる

女性同士の恋愛というよりは加熱した友情というニュアンスの関係を描いた作品で、自分が求めていた百合ではなかった。

鬼滅の刃

あつい。

シン・ゴジラ

現代の東京を舞台としており非現実的要素も抑えられているため、頭にすんなりと入りやすい。世界を巻き込むゴジラの襲来と日本国内および当局の混乱と対応を非常にコンパクトに描いており、無駄なシーンが一切ない、洗練された作品だと感じた。

バチェラー4

バチェラーである黄皓氏の生き様•振る舞いを拝見して、現代においては「観客」を想定してある種劇的に行動することが社会生活における便益を最大化するのではないかという考えに至った。 それは置いといて、バチェラーの登場人物は数ヶ月仕事を休む必要があることから、一般公募とはいえ(だからこそ)インフルエンサーのような半分芸能人と言ってもいい人々が参加者となる。したがって完全にリアルな恋愛というわけではないが、人の視線を受けることを職業としている人々はやはりその辺の見せ方が上手く、作品に没入することができる。この現実感と虚構の組み合わせがマッチしており、あくまでフィクションの作品として鑑賞する分には非常に楽しめる。

2021春に読んだ本

積ん読が溜まりまくってるので消化してアウトプットも出来たらなーということでやってみる

小説系はややネタバレを含むものもあるので注意してください

湊かなえ『少女』

友だちに勧められて読んだけど、自分には合わなかった…… いい意味での「裏切り」が無く展開が単調で、女子学生同士の友情云々に終始してしまっているのが残念だった。

トーマス・マン『幸福への意志』

重い心臓病を抱える少年パオロがある女性に恋をするも、病弱さを理由に彼女の両親から反対され…というお話。起承転結がうまくまとまっていてすいすい読めた。

恋愛とはその実現を追い求めている期間こそが全てなのだという作者の強い示唆を感じずにはいられない。それを理解していたからこそ二人は自らの運命を悟り、パウロの眼は出立時に「深いまじめさ」を携えたのだろう。しかし、娘の方も彼の棺の枕上で「勝利のおごそかな強いまじめさ」を覚えた、というのは何故なのだろうか。

芥川龍之介トカトントン

結末がよくわかんなかった。

平野啓一郎『本の読み方 スロー・リーディングの実践』

数年ほど前、文学作品を読んでも「面白かった」「つまんなかった」以外の感想を表現できない自分がいることに気づき、いわゆる「本の読み方」を解説している本を何冊か購入した。これはそのうちの一冊である。「スロー・リーディング」の名の通り、巷に蔓延る速読を批判し、文章と真正面から向き合う方法をいくつか紹介した後、最終章で実際の作品を引用しながらスロー・リーディングの具体的な事例を学ぶという構成になっている。この最終章にこの本のエッセンスが詰まっており、『こころ』や『高瀬舟』といった有名作品の一部を引用して、どこに着目しながら読めばいいのかの一例が提示されているのだが、すでに読んだことのある作品でも新たな発見が多く、普段自分がどれだけぼーっと読書していたかを痛感させられた。受験期に出題された種々のテクストを無批判に受け入れる受動的な姿勢が身についてしまったのだろうか……現代文の参考書のようで退屈だと言う人がいるかもしれないが、自分で文章を解釈していく方法論を学ぶという点で、予め定まった解釈に沿って解説が進む現代文の参考書とは一線を画するものである。続編の『小説の読み方』は副題に「感想が語れる着眼点」とあるので、こちらも読んでみたい。

越智啓太『恋愛の科学』

恋愛に関する個々のバイアスや固定観念に関して、統計学的観点からその意外な真実を明らかにしていく。女性よりも男性の方が恋愛のせいで仕事に支障が出やすい、など、意外性があって面白いトピックも多いが、細々した話に終止しているのが微妙。

水野敬也『LOVE理論』

女性には絶対読ませたくないが、男性には今世紀最大級におすすめしたい本。

平口良司『マクロ経済学安藤至大ミクロ経済学の第一歩』

最初の一コマしか聞いていなかった大学の経済の授業に追いつくためにテスト前に必死に読んだ本。前者は初学者向けの本にしては踏み込んだ内容まで、後者は優しい内容を噛み砕いて説明している。本当にありがとうございました。

春の間は大学が忙しくてあんまり読めなかったな……と思ったけどこの調子で一生何かしらの言い訳を続けてそう

2020秋アニメ評

 ネタバレしかありません。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

f:id:mnres:20201230220553j:plain www.lovelive-anime.jp

あらすじ

 虹ヶ咲学園に通う上原歩夢と高咲侑はいつもの放課後漫遊中にスクールアイドル・優木せつ菜のライブに遭遇し、「ときめく」。スクールアイドル同好会の元部員たちは新たなメンバーを迎え、人間関係や個人的な悩みを仲間とともに乗り越えていきながら、廃部となっていた同好会を再興していく。やりたいことがてんでんばらばらな9人、それでも皆の「好き」が一堂に会するお祭り・スクールアイドルフェスティバルみんなの夢を叶える場所を成功させたいという思いは同じだった。そうして迎えた当日。雨上がりの夕暮れ、9人は揃って「あなた」に向けて感謝のライブを開くのだった────

長話

 最初は所詮ラブライブの3番煎じだろうとマークしていなかったのだが、11話の衝撃的な展開の話を聞いてこれは見ずにはいられないと1話から見始めて、すっかりハマってしまった。今ではYoutubeでライブシーンをリピート視聴し、ニコニコ動画で切り抜き動画を漁り、まとめサイトで同好の士のコメントを楽しむ始末だ。「ラブライブ」シリーズで作画はサンライズということも安心して視聴できる要因になった。

 少しだけこのアニメのからくりを説明させてほしい。スクールアイドル同好会の一員としてアイドル活動はせず部員の支援に徹する高咲侑は、原作といえるゲーム「スクスタ」内での「あなた」(プレイヤー、アイドル活動を支える)の便宜的な投影先である。アニメ内では高咲侑は人格を持ったキャラクターとして存在し、アニメ自体も一人称視点ではなく神の視点で進行するが、最終話のライブでこの設定が大きな意味を持つことになってくる。

 このアニメを見てまず初めに抱いた印象は「公式がカップリングをぐいぐい押してくる」というものである。本作では明らかに一対一の人間関係に重きが置かれていて、百合好きには嬉しい面であった。アニメの構成を見ても2〜9話は全て個人の特集回で、登場人物一人一人にスポットライトを当てて、それぞれが内面に抱えていた問題や葛藤を、ある特定の他の人物(たいてい一人)とともに解決していくという流れになっている。前前作や前作では学年団ごと、そして全体での絡みが比較的多かったが、それでも回を重ねるごとに全員のことが好きになっていくというシリーズの共通性は、本作でも全く変わっていなかった。ここがラブライブアニメの最大の魅力なのだと思っている。特にソロのライブシーンは物語性、2Dと3Dの融合、カメラワークなど全てが洗練されており、非常に完成度の高いものとなっている。ちなみに僕の推しカプはしずかすです…

dic.pixiv.net

 そしてカップリングといえば、本作では避けて通ることのできない「ゆうぽむ」である。仲間たちのアイドル活動を応援していく中で自分のやりたいことを見つけ出した侑と、あくまでも侑一人の存在にこだわる歩夢の互いの距離感の乖離が「押し倒し」という性的とも言えるような形を持って表面化したことは驚きをもって受け止められた。個人的には、12話冒頭の歩夢が侑の腕を自然に取って登校するシーンにも言いようのない狂気を感じた。結局この独占欲の暴走は、侑のために始めたアイドル活動によって新たな人間関係が生まれ、自分の中での侑の存在が相対的に小さくなっているという矛盾への恐怖が原因であると結論づけられ、始まったのなら貫くのみ、というせつ菜の助言によって歩夢は自分自身と折り合いをつけることができた。百合というよりは単なる一方的な依存、人間関係の変化に対する恐怖と見た方が収まりは良いのかもしれないが、それでも従来には見られなかった強烈な感情の発露に思わず見入ってしまった。他人に対する狂気的な独占欲ほど傍から見ていて面白いものはない。結局、「なにもかも変わらずにはいられない」(古河渚)のであり、それを受け入れることが子供から大人へと成長する際に登らなければならない階段の踏み面の一つなのだろう。もっとも、ここに足を置くかどうかは人それぞれだが。独占欲の暴走は今期では「足立としまむら」でも見られるテーマである。

www.nicovideo.jp

 そして13話。ライブの話は前項の通りだが、ここで言う「あなた」とは、高咲侑であり、ライブに集まったファンであり、視聴者である。視聴者の分身でありながら別個体として存在していた高咲侑は、この瞬間に視聴者と同一化する。そして、「あなた」への感謝に加え、今まで支えられていた側であったアイドルたちが、今度は支える側になるという、成長の証であり、決意表明のステージでもある。ここに一人ひとりと侑が仲睦まじく過ごすカットが挿入されているのだから、涙なしに見ることはできない。「あなたと叶える物語」、ここに極まれり。

 余談。同じく13話、休憩中のかすみにしずくが話しかけ、慈しむようにかすみの髪を直し、髪飾りをプレゼントするシーン。神作画。しずくもかすみも、その二人で話してるときは本当に自然体の可愛さを見せてくれる。だからこそキャラクター個人だけでなくこのカップリングも素晴らしいものになっている。尊い。本当にありがとうございました。

 長くなってしまいましたが、ストーリー、作画、登場人物、どれを取っても今期見た中では一番好きなアニメです。二期の方も何卒よろしくお願いします。

www.nicovideo.jp

↑かすみんかわいい……

安達としまむら

www.tbs.co.jp

あらすじ

 授業サボりで体育館2階常連の安達としまむら。安達は次第にしまむらに好意を抱き始めるが、人間関係に不慣れな安達は距離感の詰め方がわからない。紆余曲折ありながらも親睦を深めた安達はしまむらの家に泊まりに行くのだが────

長話

 明確な結末は描かれずに最終回が終わった。このような終わり方は「やがて君になる」(2018)を彷彿とさせる。原作は読んでいないのでアニメだけの内容で語っていきたい。

 アニメ自体は良くできていたと思う。いわゆる百合ものだし、メインヒロインは鬼頭明里伊藤美来である。制作が手塚プロダクションで少し不安はあったが、作画が大崩れするようなこともなかった。ころころ表情を変える安達にこちらも一喜一憂してしまった。

 しかし、これはハッピーエンドなのか?と聞かれると、はいと即答することはできない。それぞれにとって相手の存在の比率があまりに違いすぎるまま最終回を迎えたからだ。

「いつか、…隣に誰もいない未来、…満開の桜を見上げながら、春の道をゆく日がやってくる。それまでは、目の前に咲く桜(※安達の下の名前は桜)に満足するのも悪くない」

 しまむらが他者に対して強い関心を示さないことは作中で示されていた気がするが、最終回の一番最後のしまむらのこのセリフは、安達を一時的な手慰みの相手程度にしか考えていないということをあけすけに表現しているようにしか聞こえない。

 一方で安達のしまむらへの執着は異様とも言える。女性としてしまむらのことが好きというよりは、しまむらに家族的な愛、信頼できる他人との密接なつながりを求めているのだろう。しまむらが安達を妹のように扱うシーンは結構多かったように思う。安達の家庭事情に関する示唆もあった。

 余談だが、しまむらのような人間に一度魅力を感じてしまうと非常に厄介なことになる。こちらがいくら好意を示しても、尽くしても、相手とは一定以上仲を深めることができないし、何も返ってこない。例えるなら自転車のようなものだ。漕いでも漕いでも、こちらが漕いだ分しか進まない。漕ぐのを止めれば減速し、止まり、そして転倒してしまう。作中によく登場する自転車を二人の関係性の象徴だと考えるのは、少し飛躍しすぎているだろうか。

好きなシーン

 #11、エキシャーマンが登場するシーン。変幻自在に声を変え、コミカルシーンからシリアスシーンまでしっかり演じ切る日野まり氏、まさに名脇役

おちこぼれフルーツタルト

ochifuru-anime.com

あらすじ

 売れない芸能人の寄せ集めユニット「フルーツタルト」。下宿先のねずみ荘の取り壊しを防ぐべくアイドル活動に邁進する。

 (最終話の放送が遅かったので見終わってません)登場人物全員が特殊な性癖を持っているというやべーアニメ。金髪金眉の女が(比較的)一番マトモ。日常に足りないエッチさを求めるあなたに超おすすめ。

ご注文はうさぎですか? BLOOM

gochiusa.com

 ごちうさでアニメの義務教育を履修した者にとってはやはり3期は感慨深い。特に中学生の頃に1期を見て、高3の今3期を見終えた身としては、自分の過ごしてきた時間と彼女たちの成長を重ね合わさずにはいられない。言うなればごちうさは母校の先生である。

神様になった日

kamisama-day.jp

あらすじ

 ある夏の日、大学受験の勉強に勤しむ成神陽太の前に、全知の神を自称する少女・佐藤ひなが現れる。彼女は成神家に居候することになり、騒がしくも楽しい毎日を送っていたが、時折「この夏で世界は滅びる」と不穏な台詞を口走っていた。実はひなは先天的な病で認知機能が低下しており、それを「おじいちゃん」が作ってくれた量子コンピューターを脳内に埋め込むことで補っていた。その存在が悪い人たちにバレてしまい、人類の利益のためにと彼女を連れ去り、脳内からコンピュータを摘出してしまう。山奥の療養所に入れられたひなは廃人化しており、当初は陽太のことも敵と認識する始末だったが、陽太の努力の甲斐あってひなは陽太や友人たちと過ごした夏休みを思い出し、陽太とともに暮らす選択を下したのだった────

 麻枝准氏の作品といったらCLANNADやABくらいしか触れたことがなかったのだが、それらを軽く超えるという宣伝文句だったのでかなりの期待をしながら視聴した。結果として裏切られてしまった。

 廃人化は両刃の剣だ。ABやCharlotteでは身体機能や記憶が失われてしまっていたが、それでも認知機能に問題はなく、彼らの今後の人生には大いに希望が持てた。しかし先天的な病で認知機能が失われ、余命も分からないとなると、そういった希望は一切潰え、視聴者のもとに残されるのは元気だった頃のひなの思い出と、彼女の介護や治療法の発見に生きがいを見出す陽太のみである。僕はもともとそういう系統のコンテンツを受け入れられるような度量のある人間ではないというのも影響しているのかもしれないが、それでも今のひなの前で元気だった頃のひなのビデオメッセージを流すという仕打ちには愕然としたし、退院後のひなと陽太の距離感に見る依存関係にも辟易としてしまった。価値観が合わなかったのだろうか。

(再放送)Charlotte

 割愛、でも本当にいいアニメでした……

(再放送)這いよれ!ニャル子さん

 数え切れないくらいのニャル子の愛と雀の涙ほどの真尋くんのデレを楽しむアニメ。

(再放送)ARIA THE ANIMATION

 テラフォーミングされた火星の都市「ネオ・ヴェネツィア」で、小型船の漕手として観光案内をする一人前の「ウンディーネ」を目指す少女たちの日常の一片。ごちうさが可愛い系の癒やしだとすれば、これは癒やし系の可愛さだろう。コミカルな場面もあればシリアスな場面もあり、その塩梅が丁度よい。また、BGMのクオリティが異常に高い。「ショーロ」というブラジル音楽の流れを汲んでおり、一言で言えば癒やし系のギター音楽ということになるのだが、これが幻想的な世界観と絶妙にマッチしている。制作は2005年だが、15年たった今でも色褪せないアニメ。このアニメに出会えたのは本当に幸運だった。

おわりに

 これ書き終わるまで年越せねえ!と思って10時間ぐらい費やしました。2020年の記事はこれでおしまいです。一年間ありがとうございました。来年も当ブログをよろしくお願いいたします。

(お知らせ)この度、当ブログの記事がGoogle検索で最上位を獲得しました

f:id:mnres:20201129175439p:plain https://www.google.com/search?q=%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%91%E3%83%B3

 お久しぶりです。ジャングルパンについての僕の駄文がGoogle検索で一番上に出てくるようになってしまいました。今読み返してみると上から目線で高圧的な文体に非常に腹が立ち、同時に恥ずかしさを覚えます。記事を公開してから早十ヶ月ほどが経ちますが、その間にLINEのメニューからジャングルパンは抹消され、トークに共有した結果画面からしかゲームを始めることができなくなりました。つまり新規参入が不可能になったということです。アップデートで内部からゲームが削除されるのも時間の問題でしょう。内蔵版を削除するならアプリ版をしっかり運営してほしいものですが……  一段と冷え込みが強まってきました。皆さんも身体に気をつけてお過ごしください。それでは、今回はこれで失礼します。

カレー屋「リアル」はチェーン店であるという噂を検証した

東京は西日暮里に店を構えるカレー屋「リアル」。西日暮里の学生の方には言うまでもないとは思うが、その魅力は何と言ってもナンにあると僕は考えている。ふわふわに焼き上げられた生地の柔らかさ、適度な焼き加減、ほんのりと効いた塩味。僕はすっかりこのナンの虜になってしまっている。そのため、リアルに行った時は、まずカレーを一切つけずにナンのみで1枚食べ切るようにしている。ナン本来の味を楽しむためだ。しかしながらこの流儀に理解を示してくれる人が少なく、残念に思っている。
そんなある日の放課後、コンビニで買い物をしていると、ある学生がこんな話をしているのを耳にした。
「リアルってチェーン店らしいよ」
一リアルファンとして、この噂話は聞き逃すことができなかった。すぐにスマホで調べてみると、どうやら石神井公園にも店を構えているようだ。友人Mを誘って早速訪問することにした。なお、この店を便宜上石神井店と呼ぶことにする。

訪問レポ

石神井公園駅から3分ほど歩き、Googleマップには表示されない路地を入ったところに石神井店はあった。西日暮里でお馴染みのリアルが本当にもう1店舗存在するとは。海外旅行中にファミリーマートを見つけた時と同じような気持ちになった。少し道に迷った分、喜びはひとしおであった。 f:id:mnres:20200318184710j:plain 興奮冷めやらぬ中、店に入ってゆく。席の配置はこちらの方がゆったりとしているが、雰囲気は西日暮里店と何ら変わりはない。f:id:mnres:20200318184845j:plainメニューまで全く同じであるのを見ると、やはり本当にチェーン店なのだろう。ただ、値段に関しては若干の違いがあった。例えば、Aセットはこちらの方が30円安かった。 f:id:mnres:20200318184803j:plain 水とおしぼりを届け、そのついでに注文を聞くというお馴染みのオペレーションに安心感を覚える。メニューが全く同じであるから、「Aセット・日替わり普通・ナンラッシー」の呪文も難なく通じた。ちなみに日替わりはおくらチキンであった。

さて、二店の特筆すべき大きな違いの一つは、サラダとカレーが同時に提供されることである。昼過ぎということもあり客数も多くはなかったのでナンもすぐに届いてしまい、焼きたてのナンを尻目にサラダを急いで平らげなくてはいけなくなった。 そして大きな違いの二つ目はナンである。西日暮里のナンと比較すると、石神井店のナンは焼き目が濃く、ほんの少し塩味が強かった。人によるだろうが、僕は西日暮里のあのパンのようなナンの方が好きだ。もちろん、ナンのおかわりは無料だ。
カレーについても少し違いがあった。こちらのカレーは少し味が濃く、噛むと紅生姜の味がする、もやしのようなスパイスが入っていた。

帰り際、店員に質問をぶつけてきた。その答えによれば、

  • 西日暮里のリアルと社長が同じ
  • 他にも赤坂(←!?)や中村橋、東久留米などにも店がある

とのこと。西武線ローカルなお店なんですね。石神井店以外の店舗はGoogleマップで見つけられなかったので、何か情報をお持ちの方はぜひご一報ください。

結論

リアルはチェーン店でした。

この度、ジャングルパンで世界新記録を更新しました。

はしがき

みなさんこんにちは。LINE JANGLE PANG 世界記録保持者のむぬれです。 冗談はこのくらいにしておきますが、本日、長年の目標であったジャングルパンでのスコア7000超えを達成しました。

本当に嬉しいです。

僕がジャングルパンと出会ったのは中3の頃、旅行委員会の集会のときでした。後ろの方の席でやる気なく座っていた僕は、周りの友達が知らないゲームで遊んでいるのを見つけました。見てみると、どうやらLINEに内蔵されているゲームで、2色のだるまを40秒でどれだけ多く振り分けることができるかを競うゲームのようです。友達のスマホを借りてプレイしたところ、その子のハイスコアをあっさり更新してしまいました(要出典)。それ以来、シンプルながら非常に奥の深いこのゲームにすっかりハマってしまい、学年のグループでのスコアアタックが終わってからも一人で孤独にプレイを続け、気づけば高2も終わりかけているという時期になっていました。

ジャングルパンとは何か?

ここまで読んでくれた方はもう大方理解していらっしゃると思いますが、ここで今一度ジャングルパンというゲームについて説明したいと思います。

  • LINEに内蔵されているゲーム

  • 上まで無限に続いているだるま落とし

  • だるまは2色あり、それぞれの色に対応したボタンを押すことでだるまを落としていく
  • 40秒間でどれだけ多くのだるまを落とせるかを競う
  • グループチャットでも出来ます、しかもランキング機能付き!みんなで対戦しよう!

ジャングルパンよもやま話

ここからはジャングルパンの攻略法について、時系列順にまるっとお伝えしたいと思います。僕のジャングルパン人生で得たものすべてをここに記しています。上の動画を見ながら読んでいただけるとよりわかりやすいかと思います。

LINE内蔵版とアプリストア版

ジャングルパンには実は2つの種類があります。LINEに内蔵されているバージョンと、アプリストアで配信されているバージョンです。しかしながら後者は長らくアップデートが行われていない他、広告動画の視聴で10秒延長できたり、ゲーム終了時にそのままフリーズしたりするなど、ゲームとしてもはや成り立っていないので、LINE内蔵版をプレイするようにしましょう。youtubeではアプリ版を使用してハイスコアを自慢している動画もありますが、笑止千万ですね。

ノーツ色をリセマラしよう

まず起動画面を見ると、ノーツが4種類あるのがわかりますね。このうち緑は左側のボタンに必ず割り当てられているので、右側にカンガルー、クッキーアンドクリーム、うさぎのいずれかが登場することになります。背景色との兼ね合いも考えながら、自分が一番プレイしやすい色を選んでみてください。僕はうさぎを愛用しています。

スタートダッシュで差をつけろ

上の動画はご覧いただけましたか?画面が明るくなってからすぐにプレイを始めている様子がわかると思います。これはカウントダウン時に少し透けて見えるノーツをあらかじめ頭に入れておき、画面が明るくなると同時にプレイを開始することで、1ノーツでも多く叩き落としてやろうという魂胆です。プレイに慣れると、明転の直後にボタンを押すことができるようになります。陸上競技とは違ってどんなに早く反応してもフライングは取られないので、安心してください。

ノーツ捌く時にタイムラグがあってうざい

初心者の話を聞いていると、こういう声が多く聞かれます。

一定のリズムで捌くことを意識してみてください。違和感がなくなると思います。

視点─どこに目線を置くか?

音ゲーマーの方ならよくわかっていただけると思うのですが、こういう上から物体が降ってきて、それに応じてなにか操作をするという類のゲームでは、視線をどこに向けるかというのが非常に重要になってきます。

僕はコンボ数が出ているところに視点を置いています。あまり上の方を見ていても正直覚えきれないので、このあたりがちょうどいいのかなと思っています。ただ、ここに視点を置くデメリットは、コンボ数表示が邪魔に感じるということなんですね。もっとも、コンボ数表示は10,30,50,100,150コンボ時にしか出ないので、慣れてしまえば横の通常のコンボ数表示に意識を向けつつこの5回の表示がいつ来るのか考えてうまくやり過ごすことができるようになります。特に100,150コンボの表示は忘れた頃にやってくるので、注意が必要ですね。

得点の算出法

ジャングルパンをプレイしていると、例えばノーミス100コンボでゲームを終えた際に得点が2034点となり、100で割り切れません。得点計算に疑問を持つことになります。

実は1ノーツあたりの得点は、コンボ数によって決まります。初期得点は10点でここからコンボを重ねるごとに1点ずつ増加し、最終的に21点まで増加します。表にするとこんな感じです。

コンボ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
得点 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 21

つまり、どれだけノーミスでコンボを積み重ねることができるかが高得点のコツと言えます。

ノーミス時の計算式を書いておくと、合計得点は(コンボ数-10)*21+165となります。この式をもとに、例えば7000点を超えるには337コンボ以上が必要なんだなといった計算をしていきます。

BGMでドーピング

自分でやっておきながら言うのもなんですが、BGMを利用してリズム感を整えようとするのは、恐らく(ないであろう)公式大会では禁止されるのではないかなと思っています。それはそうと、アップテンポなBGMを流すことでハイスコアが取れる理由をお伝えしますね。

飲食店ではランチタイムにアップテンポな曲を流すことで、客の食べるスピードが早くなり回転率が上がる、という話を聞いたことがありませんか?これが本当かどうかはよく知りませんが、この話を応用して、BGMとしてアップテンポな曲を流すことで、無意識的にノーツをさばく速度も上がるのではないかと考えたのです。

これについては実際に効果がありました。というのも、BGMを流せば単調なだるま落としゲームが音楽ゲームに変わってしまうからです。例えばBGMとしてBPM200の曲を流すことで、それに合わせて8分でボタンを押すだけで266コンボを達成することが出来ます。音ゲー経験者なら、BGMに音ゲーの曲を流すことでより一層のスコアアップが期待できると思います。

取りこぼすこともある、人間だもの

それならBPMを上げまくって400ぐらいにすれば理論値(9999)をとれるんじゃね?と考える人もいるかも知れませんが、ここまでくると手も脳も追いつきません。実際、僕はBPM260程度でBGMのリズムに合わせて捌くことに限界を感じ、諦めました。ではどうしたかというと、得意なノーツの並び(例えば3-3-3など)のときにはリズム通りに押し、苦手なノーツの並び(2-1-1-2など)が来たらあえて速度を遅くして確実に捌けるようにする、という対策を取りました。動画を見れば明らかにそういう捌き方をしていることがわかると思います。

ラスト10秒のカウントダウンで焦るな

まず仕様が最悪なんですよね。ラスト10秒になると「このスマホはもうすぐ爆発します!」みたいな感じで背景が赤くなったり、警報音がふぉんふぉんなったりします。これが非常にうざい。このせいでゲームが終盤であることを否応なく意識させられ、何度もここでミスを重ねたり、慎重に行こうとして手が止まったりしてしまいました。ここを乗り越えるにはもう場数を重ねて慣れるしかないですね。僕は「あと10秒って言ってもまだ1/4残ってるじゃん」という風に発想を切り替え、なるべく落ちついて前半と変わらずに対処するよう心がけていました。それでも記録更新ペースできた時はいつもドキドキでしたけど。

終了時に間違えてシェアボタンを押さないようにしよう

間違えて押すとグループチャットに自分の点数とともに「一緒にジャングルパンしよう!」みたいなメッセージが流れます。数百人単位のグループでやらかすと大変なことになるので、気をつけましょう。

おわりに

僕はこれから受験期を迎えるためスコアアタックからは一旦身を引かなくてはいけませんが、ボケ防止程度には続けていくつもりです。受験が終わったら本格的に再開したいですね。

僕はジャングルパン界を盛り上げたい。どうして日本国民のほぼ全てのスマホにはLINEがインストールされているのに、ジャングルパンが盛り上がらないのか。僕はとても悲しいし、きっと開発者の方も悲しんでいると思う。僕はジャングルパンを通じて、無駄な努力なんてない、そして努力は報われるんだということを伝えたい。皆に勇気を与えたい。

ジャングルパンが大好きだという方、僕のスコアを余裕で超えている方、もっとスコアを伸ばしたいという方、ぜひ僕に連絡してください。一緒にジャングルパンを楽しみましょう。お待ちしております。

そしてLINE株式会社さん。プロゲーマー契約のお誘い、お待ちしております。

#ジャングルパン  #ジャングルパン好きと繋がりたい #LINE_JUNGLE_PANG

北海道に行って思ったこと(きた北海道フリーパス使用)

先日、某イケメン鉄オタYoutuber(以下R)と3泊4日で北海道を旅行してきました。その様子を紹介したいと思います。
今回はきた北海道フリーパスをいうものを使用しました。これは、ピーチ航空を利用した人のみ購入できる、北海道をざっくり縦に三等分した時に真ん中にある路線が特急含めて乗り放題というパスです。4日間有効でたったの1万円、往復の飛行機代を合わせても2万円ちょっとなので、破格の安さです。

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今回利用した路線

1日目 占冠旭川

07:25 日暮里からスカイライナーで成田空港へ。

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機内はクソ狭い
11:30 新千歳空港 さみい。

12:15 快速エアポート113号 札幌行き 南千歳で乗り換え

12:26 特急スーパーおおぞら5号 釧路行き

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北海道っぽい車窓
13:28 トマム駅着
星野リゾートの最寄り駅というだけあって外国人観光客が多く下車していた。数キロ先に星野リゾートの高層ビルが見えるが、駅前には何もない。エセ東京人が地元を謙遜して言う「駅前に何もない」ではなく、本当に何もない。Googleマップで一番ズームしても何も表示されない。乗り継ぎで時間があるので駅前を少し散歩した。ひたすら長い道路と、積雪時に備えその境界を示す矢印が延々と続く。少し歩いて引き返した。北海道は広すぎる。
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延々と続いてる
14:32 特急スーパーとかち8号 札幌行き

14:47 占冠駅着
一日平均乗降者数約20人の駅。村の中心から少し離れているので、トマムほどではないが駅前が寂しい。近くに物産館があったので、駅前にスーツケースを置いて行ってみることに。当然のように中にはほとんど人がいない。村の全盛期の写真や、小学校の廃校を記念したアルバムなどが展示されていて、進行する過疎の現状に心が重くなった。一方で、多少なりとも駅前に車が止まっていて、車通りもそこそこあるのを見ると、村そのものが緩やかに消滅しているという現状を現実として捉えられないのもまた事実だった。

15:12 占冠村営バス乗車
鉄道の不通区間があるため、代わりにバスで富良野へ向かう。

16:26 富良野駅
んー、よく寝た。富良野ついたぞー。R「スーツケースは?」
スーツケース?スーツケース……アッ(全てを悟った人)占冠駅前に置いたままだ…
こうして、最低気温-12℃の駅前に一晩スーツケースを放置することになった。クマに食われてないといいなぁ。
憂鬱な気分のまま軽食をとる。

16:55 普通 旭川行き
18:20 旭川駅

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明るさを抑えたモダンな駅舎
法外なほどに広い歩道、目線の先にそびえ立つクリスマスツリー、そしてそれらを彩る雪。なのに心がどこか寂しいのは、寒さのせいだろうか。冬用のガチタイツを装備したjkがいる一方、しっかりと生足を露出しているjkもいて、頼もしくなった。旭川の未来はあなたにかかっています。
それにしても、街のスケールがデカすぎて、一区画移動するだけで疲れる。東京のやや窮屈な感じも案外悪くないと思った。

駅から徒歩5分くらいのバーに入店。バーといっても気軽に入れるような喫茶店テイストの店だ。そこでスープカレーに舌鼓を打った。冷えた身体にスパイスの効いたカレーが染み渡る。ママが気さくな人でお菓子をくれた。

20:06 特急サロベツ3号 稚内行き
永遠に着かない。英語の参考書を読んだり、歴史の参考書を読んだり、村上春樹の紀行文を読んだり、恋愛ゲームをプレイしたり、喋ったり、お菓子を食べたり、車内を散策したり、ツイッターをしたり、寝たり、起きたりしてもまだ着かない。外が真っ暗すぎて本当に前に進んでいるのかどうかもわからない。乗客も次第に少なくなっていゆく。鉄道旅行中に、こういう将来への漠然とした不安にも似た感覚を覚えることってありませんか?
「この先、エゾシカなどの野生動物が多数出没する区間を走行いたします。…」こんなアナウンスが流れてくる。無事にたどり着けるのか…?

23:59 稚内駅着

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おつかれ
逆浦島太郎の気分を味わいながら到着。全ホテルに大浴場があることで有名なドーミーインに泊まることになっていたので、荷物を置きに行く。

1:00 まだまだ1日目は終わらない。休憩もそこそこに深夜の稚内へ繰り出す。港へ行くと、神殿のような建造物に出くわした。深夜1時、誰もいない港で不気味なほど明るく照らされた巨大な構造物を発見した時の衝撃たるや。調べてみるとどうやら防波ドームらしい。なぜかwifi使えますのステッカーが貼ってあった。上に登って冬の日本海の波音に耳を澄ました。こういう出会いがあるから散歩っていいですよね。 f:id:mnres:20191228143401j:plain 2:00 風呂入って寝た。

2日目 宗谷・夕張・札幌

8:30 おはよう。稚内駅を少し散策。

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看板にロシア語
9:39 宗谷バス乗車
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宗谷湾沿いを延々と走る
10:29 宗谷岬バス停着
宗谷岬はわざわざ冬に行くような場所じゃない。風速20メートルをゆうに超える風がコンスタントに吹き付けてくるので、体感温度がだだ下がりする。写真を撮影するためにスマホを取り出した瞬間ふっ飛ばされたほどだ。もっとも、そのおかげで風力発電用の風車はぐるんぐるん回っていたが…
恐るべき自然の中で僕は自分の無力さを知った。What can I do in 稚内

例のアレはバス停のすぐ側にあった。冬だけあって流石に閑散としていたが、それでも写真撮影の為の列が作られていた。富士山に登った時、剣ヶ峰でも同じようなことがあったのを思い出した。高台に登ってみると、大韓航空機撃墜事件や、太平洋戦争中の戦没者の慰霊碑がいくつか建っており、国境付近の街ならではの苦悩を感じさせられた。 全体的にこじんまりとした観光地だった。見て回るには2時間もあれば十分だろう。

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アレ
12:08 稚内
生魚が苦手なのに海鮮丼を頼むという失態を犯す。

13:01 特急サロベツ4号 旭川行き
永遠に着かない(2回目)。昨日と違って景色が見えるのでまだマシだが、ひたすら北国の大地を駆け抜けているので、代わり映えがしない。音威子府という駅で別れ、僕はそのまま乗車してスーツケースを回収することにした。

17:00 特急ライラック36号 札幌行き
18:32 特急スーパーとかち7号 帯広行き

19:44 新夕張駅着
駅員さんから無事スーツケースを受け取る。昨夜保線作業員の方がスーツケースを発見して、管轄駅の新夕張まで輸送してくれたとのことだった。1時間ほど電車を待たなくてはいけなかったので散歩をすることにした。
駅舎を出ると当然のように誰もいない。北国の雪深いローカル駅周辺を一人でぶらつくというこの上ない非日常的な状況に、えもいわれぬ興奮を覚えていた。ここまで来ると恐れるべきは不審者よりも野生動物の襲来である。熊がうろついていることを気に留め(bear in mind)なくてはならない。
どうも北海道の街灯は東京のそれより明るい気がする。街自体が暗いから相対的に明るく感じるだけなのだろうか、それとも雪が光を反射するからだろうか。人がいないことも相俟って、一層不気味さが増していた。

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とにかく明るい
話がそれるが、静かさには2種類あると思う。開放的なものと、閉鎖的なものだ。前者は誰もいない野原や深い森の中で、後者は無音室や自室で感じるものだ。開放的な静かさの中では、より静かな場所へ行きたいと思うことがしばしばあるし、閉鎖的な静かさの中では、不自然なまでの無音状態に不安を掻き立てられることが同様にしてある。雪の降り積もった大地は、その両方の良いところを兼ね備えているように感じる。ゲレンデでふと腰を下ろした時に感じる、あの独特の静かさだ。雪が音を吸収する一方で、上には開放的な空が広がっているからだろうか。しんと静まり返っているのに、何故か心細さを感じない。ふと足を止めると、心地よい静かさが全身を包み込む。人通りも車通りも数える程しかない中、空から降りつづける雪だけが、時間がちゃんと進んでいることを教えてくれる。
…そんなことを考えながら歩いていた。

21:05 特急スーパーとかち10号 札幌行き

22:15 札幌駅着
チュウニズムをしてしまう。(懺悔)

23:30 ホテル着
今日から2泊するJRイン札幌駅南口へ向かう。部屋に入った途端新築の家の香りがして、勝利を確信した。

1:00 ジンギスカン
少々ガラの悪いすすきのの路地にある成吉思汗だるま本店に入店。札幌では有名なジンギスカンのお店らしい。この時間でも席は半分ほど埋まっていた。クセのない美味しい肉でした。

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消灯したテレビ塔
3:00 就寝

3日目 札幌・留萌

半日も札幌にいれば、街の雰囲気に慣れてしまう。「北1西2」といった住所の表記法を使いこなして移動できるようになるし、「札幌は内陸よりあったかいなあ。-1℃もあるのか」といった感想も自然に出てくるようになる。それでも、札幌の広さには少々辟易する。街が碁盤の目のように整備されているのだが、その1区画が約150m四方となっている。札幌にはこれが数千ブロックある。これでスケールの大きさがわかってもらえただろうか。だから、例えばたったの3ブロック先といっても、何だかんだで500mは歩かされるわけだ。さらに、地下鉄は大江戸線よりも深いんじゃないかと思うほど地下深くを走っているから、乗るだけでも面倒で、短区間では利用する気が起きない。ちょっと出歩く程度なら、歩いた方が早いということになる。それでも、その分街並みがゆったりしていて、早歩きにはもってこいの場所だから、僕的には好きな街だ。
ジンギスカンを食べた後地下道を通ってホテルまで戻ったが、金曜の夜ということもあってか、人々がポケットに手を突っ込んで俯きながら家路を急ぐといった雪国特有の陰鬱さ(偏見)のようなものはなく、皆楽しそうに話しながら歩いていた。(もっとも、東京人よりはずっと歩くのが速かったが。札幌に移住すれば快適に生活できそうだ)ここに住むと毎日結構な距離を歩かざるを得ないから足腰が強くなりそうだなと思った。ちなみに漏れ聞こえてきた会話によれば、地元民は札幌駅を札駅(さつえき)と略すらしい。

10:00 起床後時計台とテレビ塔

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とにかく札幌はでかい
ガッカリスポットとして有名な時計台だが、一度は行ってみてもいいんじゃないかと思う。北海道の開拓の歴史が大雑把に掴める。
高校生以下は入場無料となっていたので、受付で学生証を見せたのだが、受付の人に割と大きめな声で「東京の○×高校ですね」と確認され(これ声に出していう必要ある?)、周りの人の注目を浴びてしまった。でも親子連れが「すごく頭のいいところなんだよ」と話していたので、OKです(照)
余談だが、この時計台の鐘は毎正時に、例え夜間であっても時を告げてくれる。昨日ホテルへ向かう際に、深夜2時の誰もいない札幌に響き渡る2回の鐘の音を聞くことができたのは貴重な体験だった。

12:00 味噌ラーメン@味の三平
うまかった。でもやっぱり小学校の給食で出た味噌ラーメンが一番。

羊ケ丘展望台 Boys,be ambitious!

白い恋人パーク
もはや札幌観光の定番となりつつある、白い恋人でお馴染みの石屋製菓が運営するテーマパーク。ディ○ニーランドと見紛うような建物に加え、工場見学ができたり、鉄道まで敷いてあったりと、もうやりたい放題である。もちろん、工場見学には入場料がかかる。非上場なのでIRは閲覧できなかったが、地方の一製菓会社がここまで儲けられるものなのだろうか?

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札幌ディズニーランド
札幌を一通り満喫した後は、廃止が取り沙汰されている留萌本線を利用するため深川へ向かう。

17:00 特急カムイ31号 旭川行き 深川で乗り換え
18:15 留萌本線 普通留萌行き
19:09 留萌着
街灯がひときわ明るく感じる街だった。当然のように誰も外を出歩いていない。わずかに残る足跡も降ってくる雪に埋もれようとしていた。積雪20cmぐらいの誰もいない公園を歩き回って、新雪の感触を楽しんだ。

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前人未到の頂

20:20 留萌本線 普通深川行き
途中まで乗客は僕たちだけだった。これではJRが廃止したがるのもやむを得ないと感じた。「鉄道でないといけない理由」がなければ、人口希薄地帯の鉄道を維持する動機はないだろう。

21:37 特急オホーツク4号 札幌行き
オホーツクのグリーン車は日本で一番らしい。

22:53 札幌着
SAPPORO餃子製造所でザンギと餃子をいただく。ザンギとは味のついた唐揚げ?のようなものらしい。甘じょっぱいタレが美味しかった。餃子は大ぶりで、ラーメン屋の餃子のような出来合いの餡ではなく、肉の分量の多いジューシーな餡で、これまた美味しかった。

4日目 札沼線

札沼線北海道医療大学駅新十津川駅間はすでに廃止が決まっており、2020年5月6日を以って定期列車の運行が終了する。ということで今回利用することになった。

6:58 札沼線普通 北海道医療大学行き

7:45 札沼線普通 新十津川行き
爆睡。鉄道ファンが多く乗っていた。

9:28 新十津川
首都圏に住んでいる僕からすれば想像もつかないことだが、一つの路線が廃止になるというのは大変なことだ。廃止が決まった路線に人々が集まるのもわかる気がする。初めてこの地を訪れた僕でさえ、何となく惜別の情を抱いてしまったから。

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日本一早い終電
11:02 滝川 特急ライラック18号 札幌行き
12:05 快速エアポート120号 新千歳空港駅行き
帰宅

全体

12月の北海道はまだ寒さも厳しくなく、観光客も少ないということで、冬の北海道を気軽に楽しみたいという人にとってはいい時期だと思う。厳しさを見せる前の冷たくも優しい自然があなたを包み込み、視野を広げてくれること請け合いだ。
元々R一人で行く予定だった旅行に連れて行ってくれたことや、北海道を訪れるまで名前すら知らなかった、廃線の危機に直面している路線を利用するという貴重な体験をさせてくれたことには本当に感謝したいところだったが、こいつが時間ギリギリに行動するせいで何度もランニングをする羽目になったので、相殺して0になった。

許せない - 西日暮里のカレー屋"SPICESH"

今回はは西日暮里駅前に新しくできたカレー屋"SPICESH"を辛口レビューしたいと思います。カレーだけに

西日暮里が、変わってゆく

西日暮里の再開発事業の一環として開業した西日暮里スクランブル。雑然とした下町の趣を残す駅前に突如現れたオサレ系ビルディングに、荒川区民は戸惑いを感じつつも、生まれ変わってゆく西日暮里に希望を感じ始めていた。 その一角に、件のカレー屋は店を構えているのであった。

序章

入店、着席。屋台風の店構えだから外気がもろに入ってきてくそ寒い。テイクアウトしていく客がちらほら。某ラーメン屋の注文票のような紙にチェックをつけていく。今回は素揚げ野菜のトッピングと自家製スパイシーコーラを選択。ちなみにカレーの種類は選べない。(今月は確かココナッツチキンカレー) まずカレーが到着。

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カレーの水深は5mmほどであった
注文してから揚げてくれた素揚げ野菜はまあ普通、ちょっと揚げが足りないかもしれない。カレーは普通のバターチキンカレーの味わいで美味しいんだけど、ぬるい。甘い。リアルの普通より甘い。店名なんだっけ?MILDISHだっけ? まあこの程度ならリアルの方がいいねーぐらいで済むんだけど…

許せない

続いてスパイシーコーラが到着。一口飲んで衝撃を受けた。スパイシーだったからではない。味がしなかったからである。薄い。マックのコーラより薄い。スパイシーでも何でもない(そもそも味が薄い)。例えるなら、コーラはコーラなんだけど、駄菓子屋で売ってる、水に入れるとなんちゃってコーラが生成できるあのお菓子で作ったコーラを、ケチってさらに希釈したような味がした。これで450円なんだから、客を舐めきっているとしか言いようがない。サイドメニューで手を抜く飲食店は何をやってもダメ。西日暮里なんてテナント料無料みたいなもんなんだから原価率上げろよ。

終わりに

カレーの種類や辛さが選べないのと、ドリンクがクソなのとで、行く価値はない。 "SPICESH"は、決してスパイスの効いた食事を提供する場ではなく、我々を西日暮里の「スパイス」たらしめる、そんな店だと感じた、12月の寒い冬の日だった。

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税抜って書いてあるけど消費税は請求されなかった、ちょっとうれしい #自家製スパイシーコーラはクソ

パンケーキを決して見くびってはいけない

友達と4人で河口湖に行ってきました。 昼飯を食べようと訪れたのは「富士山パンケーキ」という店です。

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ホテルの一階にある
室内もオサンテーなので女性は喜びそうですね。 僕はカレーとパンケーキを注文しました。まずカレーが届きました。
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うまそう
見た目通り美味しかったです。味は程よい辛さを備えつつもまろやかで、野菜のペーストが入っているのではないかと思われました。牛肉は柔らかすぎない程度に煮込まれていて食感が良かったです。 カレーを食べ終わった頃にラスボスメインのパンケーキがやって来ました。
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うまそう
ガ○トのメニュー写真詐欺に慣れていた僕は、予想外のパンケーキの大きさに若干の不安を覚えましたが、ここまでは写真を撮ってインスタグラマーごっこをするぐらいの余裕はあったのです。
まずは何もつけずに一口。ふわふわとした口当たりで、これなら余裕で全部食べられそう!生クリームも意外と脂っこくなくていい!と、最初は思っていたんですね。最初は。
1枚目を食べ終え、2枚目に差しかかろうとした時、ある異変が僕の身に起こりました。 箸が進まないのです。(ナイフとフォークで食ってるけど) そう、僕は知らず知らずのうちに、スフレ系パンケーキの罠にはまっていたのです。
スフレ系パンケーキとは、ふわふわ度を極限まで高めた、口当たりのいいパンケーキのことらしいです。
ここで質量保存の法則が登場するわけです。パンケーキをいくらふわふわにしたところで、同じ原材料から作られているのならパンケーキの重量や成分が変わるわけもなく、着実に胃の空き容量を侵食していくわけです。むしろ、重量当たり体積が大きい分、胃へのダメージは他種のパンケーキのより大きいと言えるかもしれません。

閑話休題。ふわふわしていると言っても、口の中に入れて咀嚼すればもっちゃんもっちゃんになるわけです。パンと飲み物を同時に口の中に入れた感じと似ています。それよりもそのペーストに油分と空気を多く混ぜた感じで、満腹中枢が悲鳴を上げている中飲み込む気は微塵も起こりません。小学一年生の頃給食でおかずとご飯は一緒に食べるものと知らなかった僕は、最後まで残った白ご飯をなんとかして平らげるために牛乳とご飯を口に同時投入し、延々ともっちゃんもっちゃんしていたことを思い出しました。
水でなんとかペーストを流し込んでいた時、また新しいことを思い出しました。
皆さんはチップチョップというお菓子をご存知でしょうか。

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うまそう
チョコレートの入ったパリパリの生地に塩がまぶしてあって、無限に食べたれたお菓子です。今はもうなくなっちゃってますね…
これはしょっぱいものと甘いものを交互に食べることで飽きずにずっと食べ続けることができると言う「甘味・鹹味インフィニティ理論」に基づくお菓子ですね。
パンケーキの甘さにくどさを覚えていた僕は、テーブルの上にあった塩を宿敵にまぶす事にしました。あまり美味しくなかったです。念の為タバスコでも試してみましたがだめでした。
苦しみながらも2枚目を食べきりましたが、まだあと一枚残っています。そこで考え付いたのが「小目標の設定」です。
人間っていきなり「東大現役!」と息巻いて勉強を始めても5分でスマホをいじり始める種族ですよね。そこで「今日は10分だけ勉強しよう」と実現可能な小さい目標を立て、それをクリアし続ける事で、自分はやればできるという自信がつき、無理なく結果を生み出し続けることができるのです。僕はそれをフードファイティングにも応用できるのではないかと考えました。
パンケーキを4等分して「1個だけ口の中に入れてみよう」これを4回繰り返すだけです。
結局完食しました。食事はやはり頭脳戦なのですね。

最後に、皆さんもオサンテーなカフェに行ってパンケーキを注文される際は

  • スフレ系
  • ふわふわ!
  • 口の中でとろける!
  • いくらでも食べられる!

そういった謳い文句に十分気をつけてください。