mnre's diary

むぬれと読みます

2021春に読んだ本

積ん読が溜まりまくってるので消化してアウトプットも出来たらなーということでやってみる

小説系はややネタバレを含むものもあるので注意してください

湊かなえ『少女』

友だちに勧められて読んだけど、自分には合わなかった…… いい意味での「裏切り」が無く展開が単調で、女子学生同士の友情云々に終始してしまっているのが残念だった。

トーマス・マン『幸福への意志』

重い心臓病を抱える少年パオロがある女性に恋をするも、病弱さを理由に彼女の両親から反対され…というお話。起承転結がうまくまとまっていてすいすい読めた。

恋愛とはその実現を追い求めている期間こそが全てなのだという作者の強い示唆を感じずにはいられない。それを理解していたからこそ二人は自らの運命を悟り、パウロの眼は出立時に「深いまじめさ」を携えたのだろう。しかし、娘の方も彼の棺の枕上で「勝利のおごそかな強いまじめさ」を覚えた、というのは何故なのだろうか。

芥川龍之介トカトントン

結末がよくわかんなかった。

平野啓一郎『本の読み方 スロー・リーディングの実践』

数年ほど前、文学作品を読んでも「面白かった」「つまんなかった」以外の感想を表現できない自分がいることに気づき、いわゆる「本の読み方」を解説している本を何冊か購入した。これはそのうちの一冊である。「スロー・リーディング」の名の通り、巷に蔓延る速読を批判し、文章と真正面から向き合う方法をいくつか紹介した後、最終章で実際の作品を引用しながらスロー・リーディングの具体的な事例を学ぶという構成になっている。この最終章にこの本のエッセンスが詰まっており、『こころ』や『高瀬舟』といった有名作品の一部を引用して、どこに着目しながら読めばいいのかの一例が提示されているのだが、すでに読んだことのある作品でも新たな発見が多く、普段自分がどれだけぼーっと読書していたかを痛感させられた。受験期に出題された種々のテクストを無批判に受け入れる受動的な姿勢が身についてしまったのだろうか……現代文の参考書のようで退屈だと言う人がいるかもしれないが、自分で文章を解釈していく方法論を学ぶという点で、予め定まった解釈に沿って解説が進む現代文の参考書とは一線を画するものである。続編の『小説の読み方』は副題に「感想が語れる着眼点」とあるので、こちらも読んでみたい。

越智啓太『恋愛の科学』

恋愛に関する個々のバイアスや固定観念に関して、統計学的観点からその意外な真実を明らかにしていく。女性よりも男性の方が恋愛のせいで仕事に支障が出やすい、など、意外性があって面白いトピックも多いが、細々した話に終止しているのが微妙。

水野敬也『LOVE理論』

女性には絶対読ませたくないが、男性には今世紀最大級におすすめしたい本。

平口良司『マクロ経済学安藤至大ミクロ経済学の第一歩』

最初の一コマしか聞いていなかった大学の経済の授業に追いつくためにテスト前に必死に読んだ本。前者は初学者向けの本にしては踏み込んだ内容まで、後者は優しい内容を噛み砕いて説明している。本当にありがとうございました。

春の間は大学が忙しくてあんまり読めなかったな……と思ったけどこの調子で一生何かしらの言い訳を続けてそう