mnre's diary

むぬれと読みます

中小企業診断士の口述試験を受けました

あけましておめでとうございます。最近、下手をすると一度も口角をあげないまま一日を過ごしてしまうことがあり、これはまずいと思ってYouTubeでお笑いを見始めたのですが、ブログの冒頭部分で関係ない(そして面白くない)小話をするのって漫才由来なんですかね、とトム・ブラウンの2023年のM-1の敗者復活戦のネタを見ながら思いました。

……ということで、期末レポートが溜まりに溜まっていますが、今日は中小企業診断士口述試験を受けてきた話をしましょう。

二次試験(筆記まで)の話

  • 2021年に友達から診断士の教材をタダで貰う(圧倒的感謝)。一次試験の勉強は薄く広くという感じで、経済学部の授業の内容とも被っていたのでそれなりに面白かった。運営管理なんて普通の大学生は勉強しないんじゃなかろうか。
  • 2022年の一次試験を突破。合格率は3割弱。割とギリギリ。情報で9割取ってたおかげでなんとかなったが、経済学部なのに経済学が6割切ってて恥。
  • 10年分過去問演習したのに二次試験の筆記で落ちる。クレ◯ールはゴミ。
  • 2023年の二次試験は諦めていたのでノー勉で凸った。正確には、就活対策のためにGDしまくり、日経新聞を購読し、東大フェルミや『イシューからはじめよ』を読み、コンサルのインターンでロジ・シン(この略し方キモすぎて初めて聞いた時は鳥肌立った)を学んでいたが、過去問は一つも見なかった。二次対策はこれで良いのでは?と思う。答案に書くべきなのは結局as-isかto-beかボトルネックか打ち手かそこでの注意点のどれか。基本的な考え方だけ身につけておけばあとは現代文。
  • 事例1の最後の問題で、「X社のコネを使って質の良い原材料を仕入れる→観光客に受けそうな地元ならではの食べ歩き用新メニュー開発→ネット上で宣伝、X社の店舗の改装も行って観光客を取り込む」という自称完璧な答案を書けたのがハイライト。後は事例が進むに連れてどんどん出来が悪くなっていったので最後の方は消化試合の気分だった。
  • 当然落ちたと思っていたので合格発表を流し見した結果番号を見つけられず、まあ就活頑張ればいいかと気持ちを切り替える。
  • 翌日簡易書留で口述試験の受験票が届いてびっくり。合格率2割弱。単純計算で母集団の5%くらいという、知名度の割に意外と狭き門。

口述試験対策

ガチ勢は対策セミナー的なものに行っているらしいが、直前に勉強する人を小学生時代から冷笑しているので参加せず。与件分をまとめてちょこっと暗記した。皆スーツで来るらしいというのと、渡部陽一を憑依させてとにかくゆっくり喋れという情報を得た。

口述試験当日

やっぱり皆スーツだった。僕は雨の日に革靴を履きたくないという理由でビジネスカジュアルにした。

みんな、「ビジネスカジュアル」って、知ってるかな?

「ビジネスカジュアル」というのはね、例えば……

「ネクタイを外すと、気持ちがいい」とか……

あるいは、「色付きのシャツを着ると、気持ちがいい」といったことを……

「ビジネスカジュアル」と言うんだ。

30分ぐらい待って面接官二人とご対面。両方とも優しそうな60代のおじさんで、孫を見るような温かい目線を僕に向けてきた。それもそのはず、受験者は大半が40代ぐらいのおじさんで、二次試験を突破する大学生は毎年数%とめちゃめちゃレアキャラなのである。読者の理解を助けるため、参考写真を上げておく。

植田面接官(仮名)のイメージ
西田面接官(仮名)のイメージ

事務的な質問をいくつかされた後、西田氏がまず質問を投げかけてくる。 西田「事例3について、C社は消費期限で食材を管理しているが、どう在庫管理すべきか?」

ぼく「はいわかりました、C社が食材管理をどうすべきかについてお答えします(復唱は時間稼ぎの手口として有用らしい。以下略)。C社は食材の数量管理がなされておらず、そのために食材の廃棄や欠品など様々な問題が生じているため、まずは食材の数量管理を徹底すべきと考えます。そのためには、デジタル技術を用いてどうたらこうたら。」

デジタル技術という安直すぎるソリューションだが、うんうんと頷きながら聞いてくれる。ネット上では面接官が塩対応だという情報が多かったので意外。

西田「次に、C社は新規従業員をタンノーコーカする方針だが、そのメリットは何か?」

ぼく「たんのーこーか??漢字で書くとなんですか??😅」

西田「単能工化😅」

ぼく「わかりました😅単能工化のメリットとしては、教える側にとっては~、教わる側にとっては~(中島を5人集めて中島ックスより100万倍浅い回答)」

ダメ~。

西田「😊(浅すぎてビックリの顔)」この後30秒ぐらい向こうから話してくれた。後から振り返ってみると、おそらく時間を調整してくれていたのだろう。次に植田氏が登場。

植田「事例1について、A社はここ数年なぜ安定した業績を得ているのか?」

ぼく「ここ数年というのは、X社が合併した後ということですか?」

植田は要領を得ない回答。就活でよくあるケース面接とは異なり、この口述試験は基本的に受験者と面接官のインタラクティブなやりとりが基本的に推奨されていない雰囲気だ。試験の公平性を担保する観点からも重要なことである。ケース面接との相違点で言えば、ケース面接はお題がシンプルかつ曖昧なために面接官とのやり取りの中でイシューの質を高めていき、その後じっくりと考えて発表を行う。翻って診断士の口述試験は、与件文と面接官の出す問いが絶対であり、そこに解釈のゆらぎは存在しない。さらに問われたら瞬時に答えを出さなければならない。前者はコミュニケーション能力や論理的思考力(といっても高が知れてるが)が問われているのに対して、後者は与件分の読解力や瞬発力、そして定石の暗記が必要とされるように感じた。求められている能力が根本的に違うのだ。

ぼく「コロナが明け、X社と合併し、ターゲットを絞り込み、……」

植田「X社とのシナジーということですね。それに関連して、A社が今後より発展するにはどうすればいいか?」

ぼく「(筆記の第四問とほぼ同じ回答)」

西田「以上となります。あざした😊」

ぼく「あざした😑」

おわりに

口述試験の通過率はほぼ100%なので、流石に受かったでしょう。実務補習も申し込んでしまったので、落ちたら困るどころの話じゃない。今のところコンサルに就職するつもりはあまりないので、診断士の登録を済ませたら速攻で休止して将来脱サラする時のために備えておこう。次回・実務補習編にご期待ください。